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佐藤 駿介*; 名内 泰志*; 早川 岳人*; 木村 康彦; 鹿島 陽夫*; 二上 和広*; 須山 賢也
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(6), p.615 - 623, 2022/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)使用済燃料中のCs放射能を非破壊で評価する新しい方法を提案し、燃焼度クレジット導入における物理的測定について実験的に実証した。Cs放射能は、Cs放射能がよく知られている参照燃料を用いずに、線測定と数値検出器応答シミュレーションを用いて定量された。燃料サンプルは、商業用加圧水型炉(PWR)で53GWd/tまで照射された先行使用集合体(LUA)から取得した。試料から放出された線は、ホットセルに取り付けたコリメータを通して、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)シンチレーション検出器を用いて測定された。検出器による線の検出効率は、測定ジオメトリを考慮して粒子輸送計算コードPHITSを用いて計算した。試料に対する検出器応答のより正確なシミュレーションのために、試料中のCs, Cs, Euの相対放射能を高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器で測定した。検出器の絶対効率は、別のジオメトリの標準ガンマ線源を測定することにより校正された。測定された計数率と検出効率を用いて、燃料試料中のCs放射能を定量した。定量されたCs放射能は、MVP-BURN燃焼計算コードで推定されたCs放射能とよく一致した。
佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 松藤 成弘*; 佐藤 眞二*; 高田 真志*; 石橋 健二*
Nuclear Science Symposium Conference Record, 2005 IEEE, Vol.3, p.1288 - 1290, 2005/10
シンチレーション検出器を用いて中性子のエネルギースペクトルを測定するためには、検出器の応答関数が必要とされる。この応答関数を精度よく評価するためには、入射中性子とシンチレーション物質との核反応による荷電粒子生成と、それに伴う発光機構を解明することが重要である。そこで、液体有機シンチレータにおける、荷電粒子の運動エネルギーと光出力の相関を調べるために、放射線医学総合研究所HIMACにおいて、さまざまな荷電粒子に対する応答関数を測定した。液体有機シンチレータとして、中性子測定で広く利用されているBC501Aを用いた。各種荷電粒子は高エネルギー重イオンの炭素ターゲットへの入射核破砕反応により生成され、粒子弁別後に飛行時間からその運動エネルギーを求めた。実験から得た荷電粒子の運動エネルギーと光出力の相関を、半実験式と比較したところ、陽子と重陽子に関しては非常に良い一致を示した。しかし、粒子に関しては、系統的に大きな値を与えることを明らかにした。
小林 鉄也; 千代 悦司; 鈴木 浩幸*; 穴見 昌三*; 山口 誠哉*; 道園 真一郎*; 川村 真人*; 福井 佑治*; Fang, Z.*
Proceedings of 2nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 30th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.320 - 322, 2005/07
J-PARCリニアックにおける324MHz低電力高周波制御の実機用システムがほぼ完成し、その性能評価を行った。本システムでは、クライストロン出力の安定性(高圧電源変動に依存)及び線形性を補償するためにアナログ回路のフィードバック制御システムを用いる。評価の結果、期待される性能(入出力特性の線形性、及び振幅・位相安定性それぞれ0.23%, 0.22)が得られた。また、その制御系の応答関数(振幅・位相の両方)を測定により得ることができたので、それによるトランジェントな解析の可能性について考察する。
佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 山口 恭弘; 高田 真志*; 石橋 健二*
AIP Conference Proceedings 769, p.1680 - 1683, 2005/05
高エネルギー中性子に対する有機液体シンチレータの応答関数を評価するために、SCINFUL-QMDコードを開発した。SCINFUL-QMDによる計算結果の妥当性を調べるため、放射線医学総合研究所のHIMACにおいて、有機液体シンチレータの応答関数を測定した。800MeV/uのSiイオン及び400MeV/uのCイオンを、厚い炭素ターゲットに入射させ、核破砕反応により放出された中性子に対して、飛行時間法によりその運動エネルギーを測定し、入射中性子エネルギーごとの応答関数を導出した。実験値とSCINFUL-QMDによる計算値を比較した結果、SCINFUL-QMDは、既存の応答関数計算コードよりも適切に実験値を再現できることがわかった。
佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 山口 恭弘; 高田 真志*
NIRS-M-180, p.263 - 264, 2005/05
原研が開発を進めている液体有機シンチレータを用いた中性子モニタによる数百MeV中性子に対する線量評価法を確率するため、放射線医学総合研究所HIMACにてNE213液体有機シンチレータの応答関数測定を行った。800MeV/uのSiイオン及び400MeV/uのCイオンを厚い炭素ターゲットに入射させることにより、高いエネルギーの中性子を生成した。中性子の運動エネルギーは、飛行時間(TOF)法により決定した。中性子とともに生成される線と荷電粒子イベントは、オフライン解析により除去した。得られた中性子の応答関数データは、シンチレータの応答を中性子線量に換算するG関数導出に利用されるSCINFUL-QMDコードの結果と比較された。両者は非常に良い一致を示した。
遠藤 章; Kim, E.; 山口 恭弘
JAERI-Data/Code 2001-027, 62 Pages, 2001/10
高エネルギー中性子スペクトル測定等に用いられている有機シンチレータに対する応答関数の計算には、モンテカルロコードSCINFULが広く利用されている。しかし、SCINFULの機能は、円柱形状のNE213及びNE110シンチレータに対する計算のみに限定されている。本研究では、SCINFULをもとに、幾何形状指定機能及び高エネルギー中性子に対する輸送断面積データを新たに組み入れた計算コードSCINFUL-CGを開発した。SCINFUL-CGでは、検出器形状の指定に、CG (Combinatorial Geometry)による幾何形状指定機能を拡張したMARS-CGを導入するとともに、CGで定義された領域ごとに中性子スペクトルを評価する機能を加えた。また、ガラスシンチレータの主成分である珪素及び酸素,検出器カバーのアルミニウムについて、LA150を用い、100MeVまでの中性子輸送計算の断面積データを組み込んだ。SCINFUL-CGの計算結果の妥当性は、SCINFUL及びMCNPによる計算結果との比較並びに中性子照射実験によって確認した。SCINFUL-CGは、高エネルギー中性子スペクトルメータ、中性子モニタの検出器の設計計算等において有効なツールになることが期待される。本報告書では、開発したコードの概要を述べるとともに、コードの使用方法について説明する。
木名瀬 栄; 野口 宏
Radiation Protection Dosimetry, 93(4), p.341 - 345, 2001/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)本研究では、内部被ばくモニタリングにおける全身カウンタの測定精度向上を図るため、全身カウンタによる人体内セシウム137負荷量評価の不確実性に関連する因子を調べ、その因子による人体内セシウム137負荷量評価それぞれの誤差についてモンテカルロ計算や実測により評価を行った。その結果、不確実性の全誤差は最大で約95%になることがわかった。また、最も誤差の大きい因子は人体内放射能分布であり、経口摂取したセシウム137が胃周辺に分布した場合、最大約70%の過小評価になることがわかった。
木名瀬 栄; 吉澤 道夫; 桑原 潤; 野口 宏
KEK Proceedings 2000-20, p.31 - 40, 2000/12
本研究では、全身カウンタによる放射性物質の人体内負荷量測定について、電磁カスケードモンテカルロ計算コードEGS4を適用し、全身カウンタの校正手法の妥当性、人体内放射能分布変化に伴う全身カウンタの応答変化、全身カウンタによる人体放射能評価の体格補正法を明らかにした。
古高 和禎
JNC TN8400 2000-028, 70 Pages, 2000/10
本報告は、著者が核燃料サイクル開発機構において、平成9年11月から平成12年10月までの期間に博士研究員として行った研究内容をまとめたものである。本報告は、二つの内容に分かれる。すなわち、一つは、熱中性子吸収断面積の測定の高度化に関する研究である。今一つは、HHS検出器を用いた光核反応断面積の微細構造測定の高度化に関する研究である。1)放射化法を用いた線測定による熱中性子吸収断面積測定において、得られる結果の精度に影響を及ぼす主な要因には、線収量の統計精度の他に(1)線ピーク検出効率の校正精度、及び(2)線放出率の精度があげられる。本研究では、高速三次元同時計測システムを作成することにより、(1)線ピーク検出効率を精密に校正するための、-同時計測法を用いた標準線源放射能の精密測定、及び(2)短寿命核の線放出率の精密測定に用いるための、線検出器にプラスチックシンチレータを用いた-同時計測法の開発及び、それを使用した100Tcの線放出率の精密測定を行い、熱中性子吸収断面積測定の高度化を図った。2)熱中性子吸収断面積が小さい核種に対しては、巨大共鳴領域の線を用いた光吸収反応による核変換が提案されている。光吸収反応による核変換を効率的に行うためには、光吸収断面積の入射線エネルギー依存性を詳細に知る必要がある。本研究では、高分解能高エネルギー線スペクトロメータ(HHS)を用いた光吸収断面積の微細構造測定をより精密で信頼できるものとするために、精密なモンテカルロシミュレーション計算を実施し、検出器の標準線応答関数の整備を行った。
木名瀬 栄
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(4), p.413 - 414, 2000/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本研究では、ファントムの形状や組織等を容易に変化させることが可能である数学ファントムに着目し、計算シミュレーションによる全身カウンタの校正を行った。また、計算結果と実測結果の比較を行い、モンテカルロ計算による全身カウンタの校正手法の妥当性検証、全身カウンタの光子エネルギー依存性、全身カウンタによる体内放射能評価の体格補正、人体内放射能分布変化に伴う全身カウンタの応答変化を明らかにした。
木名瀬 栄
日本原子力学会誌, 42(3), 1 Pages, 2000/03
本研究では、ファントムの形状や組成等を容易に変化させることが可能である数学ファントムに着目し、計算シミュレーションによる全身カウンタの校正を行った。また、計算結果と実測結果の比較を行い、モンテカルロ計算による全身カウンタの校正手法の妥当性検証、全身カウンタの光子エネルギー依存性、全身カウンタによる体内放射能評価の体格補正、人体内放射能分布変化に伴う全身カウンタの応答変化を明らかにした。
木名瀬 栄
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(10), p.952 - 956, 1999/10
被引用回数:3 パーセンタイル:28.69(Nuclear Science & Technology)全身カウンタを用いた人体内カリウム-40量評価の体格補正について、モンテカルロ計算を行い、補正因子とした人体表面積と全身カウンタの計数効率の関係を定量的に調べ、日常の放射線管理に用いる体格補正式を作成した。また、その体格補正の適応性を調べるため、さまざまな体格を有する日本人成人男子の体内に含有するカウリム-40量について、全身カウンタ及び体脂肪計を用いた実測により求め比較した。その結果、全身カウンタにより評価した体内カリウム-40量と比較的良く一致することがわかった。なお、シミュレーション計算により求めた、カリウム-40を含有するファントムについての全身カウンタ計数効率及び応答関数は、実測結果を非常に良く一致し、計算の妥当性が検証された。
金子 純一; 池田 裕二郎; 西谷 健夫; 片桐 政樹
Review of Scientific Instruments, 70(1), p.1100 - 1103, 1999/01
被引用回数:22 パーセンタイル:77.35(Instruments & Instrumentation)ダイヤモンド放射線検出器はC(n,)Be反応を用いることで14-MeV中性子エネルギースペクトロメータとして動作する。さらにダイヤモンド放射線検出器はコンパクトサイズ、高検出効率、十分な耐放射線性等の優れた特長を持つ。そこでダイヤモンド放射線検出器はITERにおけるプラズマイオン温度分布測定システム用14-MeV中性子エネルギースペクトロメータの有力候補と考えられている。最近の結晶合成技術の進歩により、高純度単結晶ダイヤモンドの入手が可能になってきている。それらの結晶を用いて放射線検出器を試作し、14-MeV中性子に対する応答関数測定を行った。その結果C(n,)Be反応で生じたピークを人工ダイヤモント放射線検出器として初めて観測することに成功した。
木名瀬 栄
KEK Proceedings 99-15, p.76 - 81, 1999/00
内部被ばくモニタリングに用いる全身カウンタは、人体内に摂取された放射性物質の沈着部位の特定とその放射性物質の定性定量評価を行うことを目的としている。したがって、全身カウンタによる放射性物質の人体内負荷量測定には、スペクトル測定のできる測定器を用い、適切な校正による計数効率を求めておく必要がある。しかしながら、計数効率の光子エネルギー依存性(計数効率曲線)は、校正に用いる物理ファントムの個数制約のため、実測による校正が困難であり、物理ファントムを必要としない計算等による作成が必要である。今回、測定実務に必要な光子エネルギー範囲において、物理ファントムに対する全身カウンタの波高分布をモンテカルロ計算により求め、計数効率曲線を作成し、計数効率に対する多重散乱(特に、物理ファントムからの散乱線)の寄与について解析した。
木名瀬 栄
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(12), p.958 - 962, 1998/12
被引用回数:5 パーセンタイル:44.25(Nuclear Science & Technology)モンテカルロシミュレーションにより、経口摂取された放射性セシウム-137の人体内分布に対応する全身カウンタの応答について解析した。また、全身カウンタの計数効率の変化に伴う内部被ばく線量推定の不確実性について検討した。全身カウンタの計数効率は放射性セシウム-137の人体内分布に大きく依存し、その計数効率の変化による内部被ばく線量推定の不確実性は最大で係数3程度になることが判った。また、モンテカルロ計算による全身カウンタ校正の実行可能性を調べるため、放射性セシウム-137を含有した簡易幾何形状モデル/ファントムについて、計算及び実測により全身カウンタの計数効率を求め比較した。その結果、計算値は実測値と非常に良く一致し、計算による全身カウンタの校正の妥当性が検証された。
林 光二
JAERI-M 93-041, 152 Pages, 1993/03
原子炉システムの非線形機構の解明と異常診断を目的とした非線形炉雑音解析手法の研究を行った。従来の非線形同定手法GMDH(組み合せデータ処理法)に新たに考案した近似応答関数を付加し、非線形スペクトル解析や非線形機構の解析に役立つ手法を確立した。また、原研の研究炉NSRRで観測された炉出力振動の測定実験と解析を行い、不安定性の原因を明らかにした。更に、非定常炉雑音の解析手法とデータ収録法に関する研究を行った。瞬時の自己回帰スペクトルの時間軸分解能を向上させ、原子炉運転状態の追跡や異常診断に役立つ手法を確立した。また非定常炉雑音データ収録用前処理システムを開発し、測定試験を通じて実用性を実証した。
林 光二; 篠原 慶邦; 金野 秀敏*
計測自動制御学会論文集, 28(10), p.1216 - 1223, 1992/00
GMDHによる非線形系の同定は、比較的手軽に行える反面、それによって得られる階層モデルは数学的な裏付けに乏しく、物理的な解釈は容易でない。このため、GMDHはもっぱら「ブラック・ボックス」的な利用に限定されてきた。本論文では、階層モデルの全体的な非線形特性を評価するために、唯1つの時間遅れを持つ新しい非線形インパルス応答関数を提案している。その計算は、階層モデルを適当な入力インパルスで励起する事により簡単に行え、またこれから周波数応答関数やパワースペクトルも推定できる。例として、2つの井戸型ポテンシャルを持つ確率ダッフィング方程式から作られた振動データに対して、GMDHに基づく自己回帰型の非線形階層モデルの同定を行った。本手法を用いた解析を通じて、得られた階層モデルにもとの系のメカニズムが反映されている事が確認できた。
石黒 秀治*
PNC TN8410 89-049, 66 Pages, 1989/04
本報告書は,昭和63年度の安全管理部内の技術開発推進委員会の企画として,昭和63年度上期に引き続き,下期に外部発表した7編の発表要旨をまとめたものである。今回の発表の場としては,日本原子力学会「1988年秋の大会」,IAEA/RCARegionalWorkshoponPersonnelandEnvironmental IntercomparisonStudy等である。
上蓑 義朋*
PNC TJ2602 87-001, 41 Pages, 1987/03
東大・核研では近年よく用いられるようになった球形3He比例計数管を内蔵した高感度ボナーボール検出器を開発した。我々はこの検出器を、電子技術総合研究所に設置されている中性子国家標準場において、熱中性子及び144keVから15.2MeVの範囲の単色中性子を用いた標準較正を行った。この結果はANISN共役計算値とも比較されている。ボナーボールスペクトロメータの応答関数を求める手法は完全に確立されているとは言えない。従って全く同一の原理を用いた検出器とは言え、ORNLと東大・核研のボナーボール検出器を併用することは、互いの用いている応答関数をクロスチェックするため、また実験データを全くORNLに依存しないためにも重要であると思われる。本報告では現在JASPER実験で用いられている東大・核研製のボナーボール検出器の構造、各材料の組成、応答関数について詳しく述べる。また本検出器によって得られたデータをアンフォールディングし、計算スペクトルと比較する。JASPER実験では実験体系に接近して検出器を置くなど通常と異なる使用をしているので、そのことの影響も評価してみる。
千原 順三; 佐々木 健
Progress of Theoretical Physics, 62(6), p.1533 - 1549, 1979/00
被引用回数:13電子液体に於て、固定された電子の回りの電子分布を、古典液体で成功を修めているHNC方程式を量子液体に拡張した2つの方程式(QHNC,QHNC')を用いて計算した。その1つ(QHNC)は運動エネルギーを正確に取扱ったものであり、他の1つの(QHNC')はThomas-Fermi近似に基づいている。この密度分布から固体電子論で重要な役割を果す静的密度応答関数が求められる。に含まれる局所場因子G(Q)は、QHNCの結果ではFermi運動量の2倍の所でピークと2つのタイプの特異点をもつが、QHNC'からの結果は、このどちらも持たない。これは運動エネルギーを正確に取扱う重要さを示す。よく用いられているSingwiグループのG(Q)も、運動エネルギーの取扱いが正確でないため、このとぢらの振舞も示さない。